ロサンゼルスでは年収1000万円でも「かろうじて食いつないでいけるレベル」の生活かもしれない。

例えばロサンゼルス の中心地で暮らしていると、年収が1000万円を超えても貧乏と感じてしまう。

あるロサンゼルス 在住のIT企業従業員の男性は、年収15万ドル(約1700万円)。だが、かろうじて暮らしていけるレベルだと語った。「せっかく高い教育費をかけてソフトウェア・エンジニアになったのに、毎月がやっとの生活です」。そう語る男性は、このエリアで家族と暮らしていくためには自分は「低所得」と考えている。

家計のもっとも大きな支出は家賃。毎月3000ドル(約33万円)かかる。妻と2人の子ども。場所を考えるとこの家賃でも「安いほう」と彼は言う。

同エリアでフルタイムで働く18歳~30歳の人々の平均収入は、2018年に6万5000ドル(約700万円)だった。



今回は、そのような厳しい環境下でも、たくましく生きている日本人達にスポットを当ててみたい。



三和一善

「バックオフィス」サービスは海外では昔から馴染み深い事業。会計部門や総務部門など、コストセンターと呼ばれる部門は比較的外部委託をする傾向がある 。



三和一善は2017年、米国 ロサンゼルス で主に企業向けに、コントローラーサービスと呼ばれるコストセンターをオンライン上で一括受託展開する企業を設立。導入企業が、通常の業務以外に必要な時に必要な情報を人材を採用するよりも安価で受けられるサービスを展開。



海外ではこのようなサービスが比較的スムーズに、なおかつ部門担当者レベルで気軽に受け入れられる傾向があり、サービスのわかりやすさからも、2018年12月末時点で地元ロサンゼルス だけでなく、他の州にも受け入れられ、更に香港、オーストラリア、ヨーロッパなど、英語でのレポートやコミュニケーションを必要とする企業や国にも導入されサービスを展開するなど、急速にシェアを獲得している。



三和はこの地の生活費は異常だという。5千万程度では家を買うことが困難であり、最低賃金の高さとチップ制度から、2、3人で普通に外食などをすると1万円近く必要になる。特に医療保険が高く、保険の種類によっては、少し大きな病気になると医療費が払えず生活が破綻する可能性がある。大げさではなく、日本ではまともな収入額でもここでは貧しいと感じてしまうという。



三和自身はこの企業の共同創業者兼CEOであるが、ロンドンに拠点を置く某グローバル企業の北米担当執行役員というオフィスワーカーとしての側面も持ち、企業に勤務する人々の気持ちをよく理解する。そのような事情から、三和は生活費が高騰し続けるこの地で暮らし働く従業員たちの生活を心配する。急速に売り上げを伸ばし続けているが、100人を超える従業員の平均給与は6万ドル(日本円で約700万円)と十分な処遇ではないと考えている。ここで企業を経営していくには従業員の手厚い処遇と、コミュニティとの繋がりや、生活とのバランスを取れるようにしっかりとサポートをすることが重要だと感じている。三和は「日本よりも従業員の生活を強く意識しないと経営できないかもしれない、政府の保護も日本とは比較にならないくらい薄い。ある意味マネージメントの人々が鍛えられて、たくましくなっていいかもしれないが」と笑う。



そういった事情からか、実際にロサンゼルス やサンフランシスコでは2年ほどで従業員が会社を辞めるケースが多く、企業のコストセンター部門は人材の採用よりも、三和の展開するようなバックオフィスサービス企業に期待を高めている。今後は業務のみではなく、企業や企業で働く人たちのサポートに繋がる事業をさまざまな角度から展開していくビジョンに挑戦していきたいと話す。(翻訳:ロバートキム)

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